自然排煙方式の場合の排煙量算定について
2.有効排煙量の算定に必要な情報
自然排煙量の算定に必要な情報は次のようになります。
(a)室の面積。
(b)室の天井位置、床面の段差。
(c)防煙区画の有無。区画されている場合はそれぞれの区画の面積、垂壁の位置。
(d)自然排煙窓の寸法(幅、高さ)、及び取付高さ。
(e)限界煙層高さ(Hlim)
天井に段差があればその「平均値」と「最も高い部分」の数値が必要です。床面に段差があれば最も高い位置から天井高さなどを算定することになります。
この中で注意するのは「(e)限界煙層高さ(Hlim)」です。この項目が排煙量の計算式の中に組み込まれているため、限界煙層高さの数値が変われば、同じ室、同じ排煙窓でも排煙量が変化することになります。
例えば、居室に自然排煙窓を配置していた場合、居室単位の検証ではHlim=1.8mの場合の排煙量を算定しますが、階(全館)検証時にはHlim=煙伝播方向の建具寸法で決定する数値になるため、1.8mとは限りません。
※煙等発生量Vsの算定式にも「Hlim」があるため同じ室であっても居室検証の時と、階(全館)検証では計算値が異なることがあります。また、床面に段差がある場合、最も低い位置からの平均天井高さを算定しておく必要があります。