関連する法律・条例 適用除外編
建築基準法施行令第112条(防火区画)第5項、第9項、第12項及び第13項
「全館避難安全性能」を有していることを確認できると上記条例を適用除外とすることができます。令第112条は防火区画に関する条例です。防火区画に関する条例を全て適用除外にできるわけではありませんが、全館避難安全性能を有していれば高層区画や異種用途区画などを適用除外にすることができます。
「階避難安全性能」のみでは上記条例は適用除外にはできません。ただし、平屋建ての場合は「階避難安全検証法」を行えば、「全館避難安全性能」を有しているもの(『2001年版 避難安全検証法の解説及び計算例とその解説』P259質疑応答20より)とすることができます。
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5 建築物の11階以上の部分で、各階の床面積の合計が100平方メートルを超えるものは、第1項の規定にかかわらず、床面積の合計100平方メートル以内ごとに耐火構造の床若しくは壁又は法第2条第9号の2ロに規定する防火設備で区画しなければならない。
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第112条第5項はいわゆる「高層区画」に関するものです。適用除外できる理由として『2001年版 避難安全検証法の解説及び計算例とその解説』P25に次のような記載があります。
「建築物の11階以上の階については、火災時の消防活動に困難を伴うことに加え、地上まで避難するためにより多くの時間を要するため、・・(略)・・火災の進展・拡大を抑制するために原則として100m2以内ごとに防火区画を設けることとしている。全館避難安全検証法において、想定される火災条件の下で建築物の利用者全員の避難安全性を確かめていることから、この規定は適用されない。」
ただし、面積区画は避難安全性能の確認では適用除外にできないため「高層区画」を除外できてもある程度の面積以上がある場合は防火区画が必要となります。
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9 主要構造部を準耐火構造とした建築物又は特定避難時間倒壊等防止建築物であつて、地階又は3階以上の階に居室を有するものの住戸の部分(住戸の階数が二以上であるものに限る。)、吹抜きとなつている部分、階段の部分、昇降機の昇降路の部分、ダクトスペースの部分その他これらに類する部分(当該部分からのみ人が出入りすることのできる公衆便所、公衆電話所その他これらに類するものを含む。)については、当該部分(当該部分が第1項ただし書に規定する用途に供する建築物の部分でその壁(床面からの高さが1.2メートル以下の部分を除く。)及び天井の室内に面する部分(回り縁、窓台その他これらに類する部分を除く。以下この項において同じ。)の仕上げを準不燃材料でし、かつ、その下地を準不燃材料で造つたものであつてその用途上区画することができない場合にあつては、当該建築物の部分)とその他の部分(直接外気に開放されている廊下、バルコニーその他これらに類する部分を除く。)とを準耐火構造の床若しくは壁又は法第2条第9号の2ロに規定する防火設備で区画しなければならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する建築物の部分については、この限りでない。
一 避難階からその直上階又は直下階のみに通ずる吹抜きとなつている部分、階段の部分その他これらに類する部分でその壁及び天井の室内に面する部分の仕上げを不燃材料でし、かつ、その下地を不燃材料で造つたもの
二 階数が3以下で延べ面積が200平方メートル以内の一戸建ての住宅又は長屋若しくは共同住宅の住戸のうちその階数が3以下で、かつ、床面積の合計が200平方メートル以内であるものにおける吹抜きとなつている部分、階段の部分、昇降機の昇降路の部分その他これらに類する部分
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第112条第9項はいわゆる「たて穴区画」に関するものです。適用除外できる理由として『2001年版 避難安全検証法の解説及び計算例とその解説』P25に次のような記載があります。
「建築物において火災が発生した場合、垂直方向に連続する空間である吹抜き等の部分に火災が発生した場合、当該部分を経由して煙や火災が拡大し、短時間に複数の階が危険な状態となることにより、在館者の避難に重大な支障を及ぼすことを防止するため設けられている規定である。全館避難安全検証法では、このようなたて穴部分に煙が流入する以前に建築物の利用者全員が避難終了することを検証しているため、この規定は適用されない。」
ただし、全館避難安全検証法(ルートB)での確認の場合、火災室とたて穴との間に煙降下時間を引き延ばすための空間が必要であることに加え、火災室からの煙伝播量を軽減するため、結局は防火設備を設置することになります。
そのため、「たて穴区画」が「撤廃できる」というよりは「区画の位置がある程度自由にできる」程度とお考え下さい。
大臣認定による全館避難安全性能の確認(ルートC)の場合はこの限りではありません。
また、面積区画は避難安全検証性能の確認では適用除外にできないため「たて穴区画」を除外できてもある程度の面積以上がある場合は防火区画が必要となります。
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12 建築物の一部が法第24条各号のいずれかに該当する場合においては、その部分とその他の部分とを準耐火構造とした壁又は法第2条第9号の2ロに規定する防火設備で区画しなければならない。
13 建築物の一部が法第27条第1項各号、第2項各号又は第3項各号のいずれかに該当する場合においては、その部分とその他の部分とを1時間準耐火基準に適合する準耐火構造とした床若しくは壁又は特定防火設備で区画しなければならない。
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第112条第12項及び第13項はいわゆる「異種用途区画」に関するものです。適用除外できる理由として『2001年版 避難安全検証法の解説及び計算例とその解説』P26に次のような記載があります。
「不特定多数の者が利用する用途に供する部分に火災が拡大することを防止するために設けられている規定である。全館避難安全検証法では、設置されている防火区画などの性能に基づいて煙の流動性条を予測して、建築部の利用者全員が避難終了することを検証しているため、この規定は適用されない。」
また、面積区画は避難安全検証性能の確認では適用除外にできないため「異種用途区画」を除外できてもある程度の面積以上がある場合は防火区画が必要となります。