どんな変更が必要?(避難時間への対策編)
前提条件の確認をした上で検証計算を行い、判定がNGになるのであれば設計変更を行います。
では、判定がOKになるような変更とはどのようなものなのでしょうか?
まず、避難時間(tescape)と煙降下時間(ts)の差を確認し、その差が大ければ避難時間を短縮する対策から行うようにします。
出口となる扉を追加する
単純に避難者の数に対して扉の幅が不足している場合には出口となる扉を追加すれば避難時間は短くなります。ただし、既存の扉のすぐ近くに追加するとほとんど効果がないこともありますのでご注意ください。
出口となる扉の幅を広げる
既存の扉の幅を広げることもある程度避難時間を短くできます。ただし、扉の追加よりは効果が少ない、あるいはほとんど出ない場合があることに注意してください。
避難先となる部分の面積が増えるようにする
出口となる扉をいくら追加しても避難時間が短くならないことがあります。その原因の一つとして「避難先となる部分」の面積が不足していることが考えられます。避難先の面積を増やせない場合は他部分への避難が可能かどうかを検討してみてください。
その居室を通過しないと避難できない部分を軽減する
計算を行っている居室を通過しないと避難できない部分がある場合、その部分を含めて検証を行う必要があります。例えば「事務室」奥に「役員室」や「応接室」、「書庫」等があるとそれらの面積や避難者の数を含めて「事務室」の検証計算を行わなくてはなりません。
計算する居室の負担を軽減するため、これら居室奥の部分を他経路で避難可能なのかどうかを検討し、可能であれば扉等の追加で迂回経路を確保してください。