避難安全検証法に関する指摘について(扉の幅編)
避難安全検証法に関する指摘では扉の幅関するものがあります。
避難安全検証法の計算で指針となる『2001年版 避難安全検証法の解説及び計算例とその解説』では扉の幅に関して「出口の幅」とあるだけで特に詳細な規定はありません。そのため、避難安全検証法が施行された当初は意匠図の建具表で示された幅で計算するのが一般的でした。
しかし、避難安全検証法の使用が浸透するにつれ次のような考え方が広まってきました。
「避難時間の算定では通過できる部分の幅で計算を行う」
開き扉では戸板の厚みにより意匠図の幅より「通過できる部分の幅」が小さくなる場合があります(戸板の開き角度にもよりますが・・・)
また、引き扉では「引き残し」部分が「通過できる部分の幅」に影響を及ぼすことがあります。
このようなことから避難時間では意匠図の幅とは別に「通過できる部分の幅」で計算するように指導が出るようになりました。
(一方、煙伝播量の計算では意匠図での幅で計算を行います。)
弊社のコンサルサービスでは特に指定が無い場合、次のような幅で計算を行っています。
扉種類 | 通過できる部分の幅 |
片開き扉、片引き扉 | 扉の全体幅から-50mm |
両開き扉、両引き扉 | 扉の全体幅から-100mm |
親子扉 | 親扉の幅から-50mm |
引違い扉 | (扉の全体幅÷2)-50mm |
三方枠、開口部 | 開口部の全体幅 |
これら数値は意匠図に明示されていないため、審査機関によっては意匠図の建具表に通過できる部分の幅を明示するよう求められることがあります。