株式会社建築工房グエル

避難安全検証法に向かない建物

まず、向かないというより適用自体ができない建物があります。

(1)主要構造部が準耐火構造か不燃材料であること。
(2)建物(階)の利用者が自力で避難可能であること。
避難安全検証法を適用するには上記2つを満たす必要があります。

(2)は避難時間を計算する際、歩行速度の数値が自力で避難することが前提のものとなっているため、制限がかけられているようです。「2001年版避難安全検証法の解説及び計算例とその解説」において具体的な例として「病院、診療所、児童福祉施設」があげられています。

適用可能な建物であっても判定が現実的な設計範囲内でOKにならないものや適用してもメリットが得られないタイプは「避難安全検証法が向かない建物」といえます。

その代表的な例が住宅(戸建て・集合住宅)です。
「住宅の居室」として避難安全検証法の告示でも計算に必要な数値は示されていますが、実際に計算を行ってみると居室部分の天井高さが3500mm以上要求されてしまう上、例え判定をOKにしても、その結果として仕様設計より過剰な設備(防火設備の増加等)が設置されてしまうことになるようです。

避難安全検証法は床面の段差についてシビアな面があります(人の頭が煙層に近づくとされているため)。そのことから、劇場や映画館など床面に大きな高低差がある場合も判定がなかなかOKにならないようです。

また、2F建ての物販店舗についても避難先となる直通階段が避難者の数に比して少ないため出口となる扉の設置位置に苦労することになるかもしれません。

上記はあくまで一般的な例であり、必ずしも当てはまらないこともあります。 もし、お持ちの案件が避難安全検証法に向く建物か判断に迷われたらお気軽にこちらまでご相談ください。

避難安全検証法に関してのご相談、適用診断等はこちらまでご連絡ください。

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